カトリック新潟教区の皆様
主の御復活おめでとうございます。
皆様は今年、どんな御復活を迎えられましたか?徹夜ミサや、日曜日の日中のミサにあずかった人、コロナ禍の影響や、ほかの理由でミサにあずかれなかった人、いろいろな方がおられると思います。弟子たちが、家に閉じこもっていたり、漁をしていたり、別の町に歩いていったりしていたときにイエスが現れたように、わたしたちにも、それぞれの生活の場で、それぞれの環境で、それぞれの人生に、イエスは復活のいのちの恵みを注いでくださるのだと思います。皆様は、ご自分の生活の中で、その恵みをどのように受け止められますか?
私にとって今年の御復活は、いのちや、人生について考えさせられる時でした。コロナ禍がまたもや拡大してきて、そして四旬節が始まる数日前に戦争が始まって、毎日、人の尊厳が、人のいのちが踏みにじられるニュースが流れてきて、毎日、なぜ?おかしいでしょう、と心の中でつぶやいています。コロナ禍などで教会活動に参加できない方々のために祈っています。ウクライナやロシアの人たちのことを心配して祈っています。ミャンマーなどの、紛争や暴力が続いている地域の人たちのことを心配して祈っています。
私はこれまで、様々な国の、特に貧しかったり、差別されていたり、紛争があったり、災害に遭ったりしたような地域の人々を訪問してきました。それが私の仕事の一つでした。ニュースでは、何人が死亡しました。何人が避難しましたなどと報道されますが、現場では一人ひとりが、それぞれの人生の中で傷ついています。何十万、何百万という人全員のためにできることはありませんが、一人ひとりのためにできることは確実にあります。どんなに小さな活動も、前に向かって進んでいくために力になること。どんなに遠くからの祈りでも、希望が伝わっていくことを見てきました。
理不尽な世界にあって、一体自分に何ができるのかと疑うようなこともあるかもしれません。でも、私は信じていますよ。私や皆様のささやかな祈りを神が聞いていて、苦しむ人に希望をもたらすために使ってくれることを。私や皆様が身近な人にするささやかな親切や、遠くの人のためにするわずかな支援を、神が平和をもたらすために使ってくださることを、私は、信じて疑いません。
そして何より、私ではなく、神が、イエスの復活を通して、弱さ、苦しみ、悲しみ、死を超える救いの希望を与えてくださるのです。御復活の喜びと希望のうちに、祈りと愛の業を続けましょう。
皆様の上に、復活の主の祝福が豊かにありますようお祈りしています。
2022年4月17日 御復活の主日
カトリック新潟教区 司教
成井大介