深夜のミサに引き続き、新潟教会では神の母聖マリアのミサが11時から行われました。世界平和の日にあたり、特に世界の平和、また能登半島地震で被災された方々、支援に携わる方々のためにお祈りいたしました。
今日は、特に冬の間は曇りの日が多い新潟の正月とは信じられないような青空。気持ちの良い一日になりました。新潟教区は別名「帰省教区」と呼ばれており、新年とお盆には帰省で教会共同体が大きくなります。今日も、帰省して久しぶりに会う人、結婚されて新しい家族と来られる人などが集い、新年らしい、うれしい交わりの時となりました。ミサの後はカトリックセンターで茶話会。恵みの時に感謝です。以下、説教の抜粋です。
成井大介司教
今年、わたしたちは特別な年を迎えています。
まず、聖年です。わたしたちが、神と自分の関係を見直し、回心し、罪を許され、免償を受ける恵みの年です。教皇フランシスコは今年の聖年のテーマを「希望の巡礼者」とし、神の前にすべての人が尊く、尊厳を持つ存在として、誰も搾取されたり、貶められることのないよう、神の視点に基づく正義が行われるよう、行動する旅に出るよう促します。
そして、シノドスの実りを実行に移す年でもあります。年頭司牧書簡に書きましたが、カトリック教会にとって、昨年10月に閉会となったシノドス第16回総会は、これからの教会の歩み方を示す、教会がともに歩んでいくための土台を形作った非常に重要な会議でした。わたしたち新潟教区は、宣教司牧方針を道しるべに、ともに歩む共同体として歩みを続けていきたいと思います。
実は、2025年は第2バチカン公会議が閉会して60周年の年でもあります。この公会議は「教会の現代化」、どうしたら現代社会によりふさわしく福音を伝えることができるのかを識別しましたが、この60年の間にさらに大きく社会は変化しました。この機会に、今、この新潟教区で、どのように福音を伝えるのがもっともふさわしいのか、ともに祈りのうちに考えていきたいと思います。
もう一つ、日本に住むわたしたちにとって大切なのは、2025年は戦後80周年にあたるということです。日本はアジア諸国を侵略し、大きな危害を与えました。今、新潟教区でともに共同体を形作る、アジア諸国出身の方々の国においてもそうです。わたしはアジア諸国を度々訪れ、観光客はおろか、その国の人でも行くことのないような奥地を訪問してきましたが、こんな周辺の土地で!と思うような所でも、日本軍の占領の爪痕が残っています。多くの人が殺され、残された家族の心に今も傷が残されています。戦争は、絶対的な悪です。
今、世界の多くの地で戦争、紛争、対立が、国、民族、主義主張を異にする人々の間で広がっています。非常に深刻な状況です。そして、恐ろしいことに、日々ニュースで深刻な状況を聞くうちに、わたしたちの心はそれに慣れてしまいます。今日、世界平和の日にあたり、年の初めに平和を願う日にあたり、希望を持って歩みを始める日にあたり、わたしたちは、神の母聖マリアの取り次ぎによって、自分の周りで神の愛を証し、身近なところから平和を築いていくことができるよう、祈りたいと思います。
教皇フランシスコは、今日の世界平和の日のためにメッセージを出されました。タイトルは、「わたしたちの負い目をゆるしてください、あなたの平和をお与えください」です。世界中のカトリック信者が、今日、このメッセージを読んで平和への思いを新たにします。できれば全部一緒に読みたいのですが、長いですので一部を朗読いたします。世界の人々と平和をともに築いていく思いで聞いていただけたらと思います。