2024年2月14日
カトリック新潟教区の皆様
「性虐待被害者のための祈りと償いの日」について
主の平和
教皇フランシスコは、毎年特定の日を「性虐待被害者のための祈りと償いの日」として定め、祈り、償い、被害者の痛みを学ぶ機会とするよう、世界の教会に呼びかけています。日本の教会では毎年四旬節の第2金曜日を「性虐待被害者のための祈りと償いの日」(以下、「祈りと償いの日」)と定めており、新潟教区ではその近くの日曜日にともに祈り、意識を深める取り組みを行ってきました。昨年は、教区ハラスメント対応委員会が2022年に実施したセクシャル・ハラスメントに関する意識調査の結果に基づき、各小教区で分かち合いが行われました。また、6月の司祭の集いでは大塚司教様を講師としてお迎えし、2021年に出された「未成年者と弱い立場におかれている成人の保護のためのガイドライン」について学びました。今年も学びと啓発の機会を設け、教区全体として、ハラスメントを許さない共同体として歩みを続けていきたいと思います。
今年は、新潟教区として、以下の5点を実施していきたいと考えておりますので、各小教区、修道院での対応をお願いいたします。
1.「カトリック新潟教区ハラスメント防止宣言」を四旬節の間教会に掲示してください。
2.3月1日直前、または直後の日曜日に、教皇の意向に従いすべての小教区と修道院でミサを捧げてください。なお、奉献文は「ゆるしの奉献文」を用いてください。そして、共同祈願または拝領祈願後に「カトリック新潟教区ハラスメント防止宣言」を一緒に唱えて下さい。
3.ミサの前後、または最中に教皇庁児童を守るための委員会作成の祈りを唱えてください。
4.ハラスメント相談窓口のカードが教会の誰もが手に取ることのできる場所に常時おいてあることを確認し、ミサのお知らせの時間にカードの紹介をしてください。
5.「祈りと償いの日」後の直近の小教区評議会、また任意のグループで、別紙「小教区での分かち合いのお願いとテーマ」に基づいて意見交換してください。出された意見をまとめ、教区事務局長までメールでお知らせください。
カトリック新潟教区 司教
パウロ 成井大介
「性虐待被害者のための祈りと償いの日」教皇の意向
1. 教会のメンバーによって、また家庭や教育現場において行われた、子どもへの性虐待の罪について、神からのゆるしを願うこと。
2. らの重大な犯罪が、教会のメンバーによって行われたことを公に認めること。
3. 教会の権威者たちが、虐待の加害者を秘匿し、被害者の痛みを無視した罪について、神のゆるしを願うこと。
4. 被害者のケアをする責任は、教会のメンバーとしてすべての人におよぶことを、皆が認識できるよう恵みを願うこと。
5. 被害者とその家族のために神のいやしと支えを願い、教会がその人々の内的いやしと和解の歩みに有効に寄り添うことができるよう祈ること。
6. 虐待の被害者から何らかの反応があった場合、特別な司牧的な配慮をもってすぐに応えるようにすること。
共同祈願例文(カトリック中央協議会 子どもと女性の権利擁護のためのデスクの祈り参照)
・ いつくしみの主である神よ、教会に集う私たちが、被害に遭われた方の痛みに寄り添い、共に癒しの道を歩めるよう導いてください。
・ 加害者が謙虚にその過ちを認め、被害に遭われた方とその家族に誠実に謝罪することができるよう、光と力をお与えください。
・ 仕えるために来られたキリストに従い、人々への奉仕の道を歩むことを選んだ聖職者たちが、その使命を全うすることができるよう導いてください。
・ 神の民である私たちが良心に目覚め、弱い立場におかれている子どもや大人を守り、連帯し、キリストの福音を告げる使命を全うすることができますように。
・ 司教、司祭、修道者、信徒すべてが、キリストに結ばれた共同体として、互いの尊敬のうちに歩んでいくことができますように。
性的虐待被害者のための祈り(教皇庁児童を守るための委員会 新潟教区試訳)
天の父よ、あなたは、あなたのすべての子どもたち、特に最も小さく弱い子どもたちを愛し、心にかけておられます。性的虐待を受け、信頼と純真の心を傷つけられてしまった、自分を守ることのできない多くの子どもと大人たちをあなたに委ねます。私たちが彼ら、彼女らの苦しみの叫びに耳を傾け、損なわれた多くの人生に寄り添い、責任ある行動を取っていくことができますように。
被害を受けた方々が、仲間や家族からの理解と支えを受け、あなたの恵みによって傷が癒やされ、平安に生きることができますように。
聖霊の交わりの中で、あなたとともに世々に生き、罪を除いて私たちと同じ弱さを身にまとわれた御子、私たちの主、イエス・キリストによって。アーメン。