世界人身取引に反対する祈りと啓発の日

毎年2月8日、カトリック教会は聖ジュゼッピーナ・バキータの記念日を祝います。聖バキータは1869年にスーダンに生まれ、幼い頃奴隷商人に誘拐されて何度も違う主人に奴隷として売られた経験を持つことから、人身取引の被害者の守護の聖人とされています。

国際女子修道会総長連盟は聖バキータの記念日を「世界人身取引に反対する祈りと啓発の日」と定め、人身取引について理解を深め、共に祈るよう呼びかけています(この取り組みのホームページはこちら)。

教皇フランシスコは、この取り組みが初めて行われた2015年2月8日に次のように述べました。

親愛なる兄弟姉妹の皆さん、今日、2月8日、子供の頃に人身売買の被害者となるというトラウマ的な経験をしたスーダンのシスターである聖ジュゼッピーナ・バキータの記念日を、国際女子修道会総長連盟は人身取引に反対する祈りと啓発の日として定めました。私は、奴隷にされ、搾取され、道具や快楽のために虐待され、しばしば拷問され、または身体を切断される男性、女性、子どもたちを助けるために尽力するすべての人々を励まします。私は、政府の責任を持つ人々が、この恥ずべき惨劇、文明社会にふさわしくない惨劇の原因を取り除くために真剣に努力することを願っています。私たち一人一人が、屈辱を受け、尊厳を奪われた兄弟姉妹の代弁者となることを誓いましょう。共に祈りましょう。

以下は、2018年2月12日の教皇フランシスコの祈りです(成井私訳。原文はこちら。)。祈りを捧げるとともに、普段からこの問題に目を開いて参りましょう。

聖ジュゼッピーナ・バキータ、あなたは幼い時に誘拐され、奴隷として売られ、言い尽くせない苦難と苦痛を耐え忍びました。ひとたび肉体的な奴隷状態から解放されてからは、あなたはキリストとその教会との出会いに真の救いを見いだしました。
聖バキータ、奴隷状態で囚われの身となっているすべての人を助けてください。これらの人をいつくしみの神に取り次ぎ、囚われの鎖から解き放ってください。神が、人身取引によって脅威にさらされている人、傷ついた人、虐待された人すべてを解放してくださいますように。人身取引の被害者に慰めを与え、これらの人々が希望と信仰の模範としてイエスを仰ぎ見ることによってその傷から癒やされますように。
聖バキータ、私たちのために祈り、執りついでください。私たちが無関心に陥ること無く、目を開いて、尊厳と自由を奪われた多くの兄弟姉妹の苦難と痛みに心を留め、助けを求める叫びに耳を傾けることができますように。
アーメン。