2023年2月20日
四旬節を過ごすにあたり
カトリック新潟教区の皆様
主の平和
イエスは宣教活動を始める前に、荒れ野で40日間祈りと断食の時を過ごしました。すべてのキリスト者はイエスに倣い、四旬節の間、祈りと節制、そして愛のわざを行うよう招かれています。
イエスは荒れ野で悪魔から誘惑を受けられました。このときのイエスの誘惑に対する姿勢は、わたしたち人間が、物や権力や富に心をとらわれず、神を試みてはならないことを教えています。これはつまり、人間が自分の都合、計画、望みに神やこの世の物を利用するのではなく、神の計画、神のみ旨、神の国の実現のために自分を合わせ、変化させていくということです。自分の都合のために争い、他者と分断されるこの世界にあってわたしたちは、神の前に謙虚に自分をゆだね、ともに歩んでいきたいと思います。
荒れ野での断食の後、イエスは宣教活動を始めるにあたり、「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」と言われました(マルコ1.14)。イエスの到来によって神がどれほど人間を愛し、大切にしておられるのかが示され、神の国が始まりました。この救いの訪れの喜びに心をはずませ、わたしたちは自分がどれほど神に愛されているのかをしっかりと受け止め、日々の生活の中で神に心を向ける、すなわち回心していくのです。
神の愛を受けてわたしたちは、今、身近なところや世界の様々な地域で、神が特に大切にされた「最も小さい」人々(マタイ25.40)を心に留め、祈りと行いによって大切にしていきましょう。皆様の上に主の豊かな祝福と導きがありますよう、お祈りいたします。
カトリック新潟教区 司教
パウロ 成井大介