「すべてのいのちを守るための月間」
9月1日~10月4日
新潟教区の皆さま
厳しい暑さが続く中、日本の教会は、「すべてのいのちを守るための月間}(9月1日から10月4日のアシジの聖フランシスコの祝日まで」を迎えようとしています。
これに合わせて教皇フランシスコは、「被造物とともにあって、希望し行動しよう」というテーマのもと、「被造物を大切にする世界祈願日」メッセージを発表しています。
https://www.cbcj.catholic.jp/2024/08/06/30466/
このメッセージは9つの段落から構成されていて、その最初の段落で教皇様は、「私たちの真の信仰」の原因は、「理性では捉えられない超越的なもの、遥かかなたの、おぼろげな、えもいわれぬ、把握しがたい神の神秘を『信じている』からではありません。むしろ聖パウロがいうように、聖霊がわたしたちの内に住まうからなのです。そうです。わたしたちが信じる者であるのは、まさに『わたしたちに与えられた聖霊によって、神の愛がわたしたちの心に注がれている』」からなのです(ローマ5・5)」と述べています。
また教皇様はこのメッセージの中で、「物質と精神の結びつき」が、「現代物理学による発見のおかげで、いっそう魅力的に理解されるようになって来ている」という科学と神学の知見を踏まえて、被造世界と私たち人間の関係、そして被造世界における私たち人間の位置についても論考しています。
いつの時代もそうですが、変動が目まぐるし世界にあって、唯一変わらないものは、神の言葉によって創造され、神の叡智と愛が一体となって輝いている、私たちが生きている生命あふれるこの被造世界です。当たり前のことですが、そこでは人間も含めてすべての生命が一体として輝いているのです。区別をつけて考えるのは、科学の「手段」です。
AIの技術に象徴されているように、現代の物理学は精神と物質の関係に迫っています。それはとりもなおさず、私たち人間に明瞭で明晰な思考力と「精神」を備えてくださった神の恵みでもあり、それらを使いこなし、究極的な高みを目指そうとする私たち人間の努力の成果でもあります。その意味で「精神」は、「神の似姿」に創造されている私たち人間の「霊性」に優るものではない、ということは確かなことです。
教皇メッセージを是非ご一読くださり、私たち人間がおかれている現今の状況について、ご理解を深めてくだされば幸いです。
なお、「ラウダート・シ」デスクの責任司教である成井司教様の談話も、8月14日付
けで発表されています。合わせてお読みください。
https://www.cbcj.catholic.jp/category/document/docbsps/doclaudatosi/
正義と平和委員会